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ネットプリントが便利

ネットプリントが便利

サービス自体はずいぶん以前からあったのだが、あまり利用しようと思わなかった富士ゼロックスのネットプリントサービス。コンビニエンスストアのセブンイレブンにあるコピー機にインターネット経由でデータを送信し、店舗に赴いてプリントできるサービスだ。…でも、普通、自宅にプリンタは用意しているし、細かなオプションが指定できるわけでもなく、葉書やL版に高画質の写真プリントができるわけでもない。当初はこのサービスの利点が読み取れなかった。

しかし最近、特定のケースでは非常に便利であることがわかったので、紹介したい。

 A3プリント

ネットプリントで利用できる用紙サイズはB5, A4, B4, A3の4種類。一般的なノートのサイズがB5〜A4のサイズで、通常個人が利用するサイズもこのサイズだろう。しかし、時に「ノートの見開きサイズ」でプリントしたいことがある。そのような時に、A3プリントが便利だ。

A3プリント事情

実は個人向けプリンタの殆どはB4サイズまでの対応で、A3サイズ対応のプリンタはどちらかといえば業務用、または法人向けの事務機器の範疇になる。紙の大きさに従ってプリンタ自体も大型になるので、日本の住宅事情では個人宅にA3プリンタは大きすぎる

そして、置き場所は何とかするにしても、A3プリンタは価格も高い。売れ筋はB4まで対応のものなので、ボリュームゾーンを大きくはずれてしまうことが原因だ。それほど頻繁に利用するかもわからないA3対応のために、高価で場所を取るA3プリンタを購入することは、誰しも躊躇するだろう。

もちろん、A3用紙自体は普通のコンビニエンスストアのコピーサービスに用意されているので、A4用紙2枚に印刷してA3サイズでコピーすることは可能だ。しかし、これは左右に分かれたA4を印刷する場合の話で、元々A3サイズの内容に利用するには少々つらいものがある。縁なしでA4にプリントして注意して繋げばいいのだろうが、A4サイズに縁なしの設定ができないプリンタもあるだろうし、継ぎ目がコピーに写ってしまう場合もある。

ネットプリントなら…

そこで、レンタルA3プリンタとしてネットプリントを利用しよう。A3用紙はバカでかい割に、料金は白黒なら1枚20円と手頃だ。場所も取らず、高価な初期投資も不要で、A3が必要な時のみであれば店舗に赴く手間もそれほど気にならない。業務用途でもなければA3プリントする機会自体が少ないのであり、色々な無理をしてまでA3プリンタを買う必要なんて無い。いっそのこと、家庭用プリンタにはB4対応さえもいらないのではないかと思ってしまう。現在の家庭用プリンタだって、大きく感じる向きは多いだろうに。

対応ファイル

ネットプリントで直接対応するファイルはMicrosoft Word/Excel/PowerPointの他、TIFFやJPEGだが、PDFにも対応している点がポイントである。PDF関連フリーソフトのメモでも書いているように、PDFを作成できるフリーのソフトは非常に数多い。つまり、どんなファイル形式であろうと印刷さえできるものであれば、これらのソフトを通してPDF化することができるので、実質的にネットプリントで利用可能なのだ。

 FAX代わり

情報技術の比較的先端を行くはず、行っているつもりの猫科研究所の面々だが、実は誰も個人でFAXを所持していない。今やメールで元のファイルを送信してしまえば、FAXが必要なケースはそれほど多くはないからだ。手書き原稿などでも最悪スキャンしてしまえばいい。

しかし、それでもFAXが欲しいと思うことはままある。PCが無い家庭、あっても添付ファイルの扱い方が分からない人々、さらにプリンタがない家庭は未だにかなりあるのだ。しかもそんな家庭には、向こうにもFAXが無かったりする。

そんなときにネットプリントだ。実際に筆者が試してみたところ、店舗でのネットプリントのインターフェースまぁまぁの出来だった。どうしても迷うほどのポイントはなく、銀行のATMでなんとか振り込みできるレベルなら十分扱えると思う。

受け取り側にはセブンイレブンまで赴いてもらわねばならないが、送信側は自宅で済むし、FAXよりはよほど印刷品質も高い。費用もB5サイズだと微妙だが、A4なら同等レベル、B4, A3大のサイズであればネットプリントの方が安いのではないだろうか。ただし、支払いは受け取り側になる。

 その他

際疾い利用方法だが、時間稼ぎの利用も可能ではある。もう身体は出発しなければならないが、書類が完成していない場合。移動中に書類を完成させるなり、誰かに完成させてもらうなりして、目的地付近のセブンイレブンでプリントすればよい。

 総括

いずれにしても、ネットプリントは家庭のプリンタを代替しようというのではなく、ほんの少しの不便、隙間を埋めるニッチサービスなのだと思う。プリンタ筐体自体はコピーサービスとして設置済みであり、セブンイレブンにはPOSやチケットサービスのネットワークインフラもあるのだから、富士ゼロックスとしては僅かなソフト開発費で新たなサービスが用意できる。設置筐体の稼働率を上げるという意味で、とても意味があるのだろう。

ユーザ側としても、希にしか使わない機能のために重厚長大高価なプリンタを置く必要がなく、いわば従量制で特別な機能を使用できることはありがたい。

しかし、利点を「家庭ではできないプリントができる」と置くなら、用紙サイズの対応を広げるべきであるし、もっと詳細なオプションを用意すべきだ。プリンタ単体にはその機能があるのに、「ネットプリントでは利用できない」機能が多い。ネットワーク経由であろうとメモリカード経由であろうと、一度取り込んでしまえば印刷プロセスは同じであるのに、どうしてそのような制限が発生するのかわからない。この点は、今後に期待したい…が、以前の筆者には利点が分からなかったように、ネットプリント自体の利用率が低い気がするので、改善する前にサービス廃止にならなければよいが…。

最終更新時間:2009年06月30日 03時31分03秒