今更MinGW/MSYS(2) mingwPORT:zlib,libjpeg
何かと入り用であるzlib/libjpegをMinGW環境にインストールする。これらはそれぞれの公式サイトから取得してインストールも可能と思われるが、MinGWにはmingwPORTと言う仕組みがあり、一部の有名ライブラリはMinGWに適した形でネットワークインストールできる。mingwPORTが行うのは大雑把に、
- インターネットからのソースアーカイブ取得
- ソースディレクトリ(/usr/src)への展開(解凍)
- MinGW向けのパッチ当て
- ビルド
- MinGW環境へのインストール
である。パッチ当てと言っても機能的な部分を変更する訳ではなく、ほとんどはMinGW環境でのビルドエラーの修正や、インストールファイル名の補正程度だ。
mingwPORTを使用可能にする
mingwPORTを使用するためにはwgetが必要になる。MinGWのリリースページの"MinGW Utilities: wget"からwget-1.9.1.tar.gzを、さらに"User Contributed: mingwPORT"からwget-1.9.1-mingwPORT.tar.bz2を取得する。
MSYSのディレクトリが足りていないので、まず/usr/src(MSYSでは/usrが/と同等のため、標準配置ではC:\msys\1.0\srcになる)を作成し、上記ファイルをそこで解凍し、wget-1.9.1/mingwPORTでmingwPORT.shを実行する。
$ mkdir /usr/src $ cp wget-1.9.1* /usr/src/ $ cd /usr/src/ $ tar xfvz wget-1.9.1.tar.gz $ tar xfvj wget-1.9.1-mingwPORT.tar.bz2 $ cd wget-1.9.1/mingwPORT $ ./mingwPORT.sh
mingwPORT.shでは以下のような質問が出る。
Download file? (Yes) Unarchive file? (Yes)
これらにはnoと入力し、残りの質問はEnterでよい。mingwPORTの標準的使用方法は対象のmingwPORTアーカイブを解凍してmingwPORT.shを実行するだけだ。が、ここではwget自身が入っていないこと、/tmpがWindowsの一次ディレクトリに割り当たることから、手動で解凍までを行っている。
zlib
wgetが入ってしまえば、zlibは簡単だ。"User Contributed: mingwPORT"からzlib-1.2.3-mingwPORT-1.tar.bz2を取得し、解凍してzlib-1.2.3/mingwPORTに移動、mingwPORT.shを実行する。質問は全てEnterでよい。
$ tar xfvj zlib-1.2.3-mingwPORT-1.tar.bz2 $ cd zlib-1.2.3/mingwPORT $ ./mingwPORT.sh
libjpeg
libjpegもzlibと全く同様の手順でインストール出来る。
最終更新時間:2008年03月17日 23時56分45秒